「フリーランスが入る社会保険が分かりにくい…」大事なポイントをご紹介
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「フリーランスになりたいけど、フリーランスの社会保険にはどんなものがある?」、
「フリーランスになったけど、社会保険のことがよくわからない…。」など、
社会保険について悩まれている人もいると思います。

私は15年間、会社員生活をしてきましたが社会保険について知識がなく、ほとんど意識してきませんでした。
そして、フリーランスとして独立したときも、他にやることが多くあり、きちんと理解できていませんでした。
独立したときも調べたのですが、どのWebサイトも難しく書かれていたり、詳細な情報が多くて、断念…。

そこで今回、私のようにならないためにも、社会保険の大事な部分に絞り込んでわかりやすく紹介します
全体像を理解した上で、多くの人が入る「国民健康保険」を安く抑えるコツもお伝えします


フリーランスの加入義務がある社会保険は3つ

フリーランスの加入義務がある社会保険は3つ
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フリーランスが加入義務のある社会保険は、「国民年金保険」、「健康保険」、「介護保険」の3つです。
3つの保険は加入条件が異なります。

国民年金保険

国民年金保険はすべての人が加入しなければならず、選ぶことはできません

健康保険

健康保険はすべての人が加入しなければいけませんが、入る保険は選ぶことができます

介護保険

介護保険は特定の条件に合致した人だけが加入します。
加入条件は、40歳以上から加入することになります。
40歳〜64歳の間は、国民健康保険などと一緒に保険料を支払い、65歳以上の場合、受給する年金から保険料が引かれます。

まずは、加入義務のある3つの保険の加入条件について、理解をしておきましょう。

「国民年金保険」と「介護保険」の保険は選ぶことができませんが、「健康保険」の保険の種類は選べるので、健康保険について、詳しく見ていきます。


「健康保険」は4つの中から選ぶ

すべての人が加入しなければならない「健康保険」は、大きく4つの種類があります。

1.「国民健康保険」

最も一般的なのは、国民健康保険に加入するケースです。
個人事業主であるフリーランスのほとんどが、国民健康保険に加入しています
保険料は地域ごとに計算方法が異なるので、全国一律ではなく、保険料が安い地域と高い地域があります。
そして、会社員のときとは会社が保険の一部を負担していましたが、フリーランスは個人で全額を支払わなければならないため、保険料の負担は会社員のときよりも多くなるケースも少なくありません。

2.「任意継続制度」

会社員のときに入っていた健康保険に継続して加入できる制度です
加入できる期間は退職してから2年間のみになります。
任意継続と国民健康保険の保険料のどちらが高いのかは、収入や住んでいる地域、勤めていた会社の保険料率によっても変わります。
どちらが保険料を抑えられるかは、両方を確認して決めましょう。

3.「国民健康保険組合」

特定の条件に合致している人だけが加入できる健康保険です
職業や地域ごとに、さまざまな健康保険組合が存在します。

国民健康保険組合は、以下のように多くあります。
・文芸美術国民健康保険組合
・東京芸能人国民健康保険組合
・東京技芸国民健康保険組合
・東京美容国民健康保険組合
・京都料理飲食業国民健康保険組合
・大阪文化芸能国民健康保険組合、など。

会社員のときの保険料や、国民健康保険料よりも安くなる場合が多いので、一度見ておくのをお勧めします。

4.「扶養に入る」

配偶者がいる場合、配偶者の健康保険の被扶養者になることで保険料を支払う必要がなくなります
さまざまな条件はありますが、年収が130万円未満であれば被扶養者になれる可能性があります。
健康保険の選択肢のなかで一番安く済むので、独立して売上が少ないときは、できることなら被扶養者になったほうが保険料を抑えられます。


経費・控除をうまく使って、健康保険の保険料を抑える

経費・控除をうまく使って、健康保険の保険料を抑える
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続いて、社会保険を抑えるコツについて見ていきます。

「国民年金保険」はすべての人が加入しなければならず、「介護保険」は一定の条件の人は加入しなければならないので、抑えるコツはありません
そこで、多くの人が入る「国民健康保険」の保険料を抑えるコツについて見ていきます。

国民健康保険は、支払う内訳の中で重要な費目が「所得割」になります
所得割は、前年の課税所得に対して、自治体ごとに決められた保険料率をかけ合わせて決まる保険料の費目です。
そのため、課税所得を少なくすることができれば、保険料を抑えることが可能ということです。

課税所得は、売上ではなく、売上から経費・控除を差し引いた金額になります。
つまり、経費・控除をできる限り増やすことができれば、課税所得を減らし、最終的に支払う保険料が減らせます。

経費・控除をできる限り増やす方法を2つご紹介します。

(1)経費を増やす

事業活動に関係する費用は、すべて経費として計上ができます。
基本的に事業活動と関係がある費用のみ計上できますが、他にも次のような費用が経費として計上できます。

・事業で利用している事務所の家賃
・事業で利用している事務所の水道光熱費
・事業で利用しているパソコン等の機器類の購入費用
・事業で利用しているネット回線・スマホの通信費
・事業に関係する書籍等の購入費用

あくまで、事業活動に関係しているかどうかが判断基準なので、ご注意ください。

(2)控除を増やす

税金の計算の前に使う控除には、医療費控除や社会保険料控除など、さまざまな種類の控除があります。
それらを使うことで、税金額を減らすことができます。


まとめ

フリーランスとして知っておくべき社会保険の大事なことと、社会保険を抑えるコツについて、ご理解いただけたでしょうか。

フリーランスが加入義務のある社会保険は、「国民年金保険」、「健康保険」、「介護保険」の3つです。
そして、健康保険には、「国民健康保険」、「任意継続」、「国民健康保険組合」、「扶養に入る」の4つから選択できます。
社会保険を抑えるコツは、多くの人が入る国民健康保険を抑えることで、経費・控除をできる限り増やすことがコツになります。

詳細を確認する前に、しっかりと全体像をイメージして不安を取り除き、抑えるコツも理解しておきましょう。